タイトル 石原慎太郎とは?
サブタイトル 戦士か、文士か―創られたイメージを超えて
刊行日 2016年7月15日
著者 森元孝
定価 ¥1760(本体¥1600+税)
ISBN 978-4-7989-1369-8
Cコード 3036
ページ数 208
判型 四六
製本 並製

文学と政治を往還する石原の生
メディアを賑わし続けてきた石原の言動。強い反感を招くも、その存在感も強かった。悪しきポピュリズムと批判するはたやすいが、最近のベストセラー『天才』を含む膨大な作品群の読み解きを通じ本書が示すは、この人の社会的アクションが作品の登場人物の生き方と同根だという事実であろう。行動が現実と激突して生じる亀裂をさらに行動によって乗り越える「亀裂の弁証法」は、今日の「空虚な」日本に対する石原の「過激な」言動にも顕著に現れているのだ。

はじめに
第一章 描かれる時、描く時
 1.特性のありすぎる男
 2.「敢えて」描かれる
 3.「保守派」というが
 4.海ゆかば
 5.尖閣諸島へ
 6.強力な軍事国家に
 7.「暴走老人」
第二章 生き方さがし 
 1.生きていくために
  ・小説『亀裂』  
 2.不可知への好奇心
  ・フィールドワーク『巷の神々』
 3.マルチプルリアリティ
第三章 青春のピュリティ 
 1.『太陽の季節』は難しい
  ・処女作「灰色の教室」から 
  ・恋愛ゲーム論 
 2.恋愛への恋慕 
第四章 日本よ!
 1.江田島への思い
  ・小説『挑戦』
  ・小説『日本零年』 
 2.ナショナリズムと科学技術信仰
第五章 嫌悪という情念
 1.失われ行く家郷
  ・小説『嫌悪の狙撃者』 
  ・小説『化石の森』 
 2.経済発展と文化遅滞
第六章 生きる感覚
 1.行為のジャイロ
  ・星と舵 
  ・天使の羽音 
 2.老けぬ青年主義
  ・小説『火の島』 
  ・小説『再生』 
  ・石原文学における「愛」の到達点
第七章 人を描くその時の時
 1.人称の選択
  ・小説「公人」と「ある行為者の回想」 
  ・小説「光より速きわれら」 
  ・小説『刃鋼』と映画「狼の王子」 
 2.田中角栄を描く時
  ・「君、国売り給うことなかれ」 
  ・「角さん」 
第八章 空虚な芯「日本」
 1.「芯にある空虚」
  ・飢餓感からの転換はしたか? 
 2.国民国家論は、まだ可能か?
  ・憲法は芯か? 
第九章 結 論 
文 献

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