青木栄一編著『文部科学省の解剖』
月間教職研修 2019年12月号
本書は、文科省の幹部職員114名に対する官僚サーベイの分析結果をまとめたもの。
サーベイとは、「個々人を対象として、体系的に設計された質問文と選択肢に回答を求めることにより、対象者の認識や行動を捉える方法」で、実態の見えにくい官僚制研究では有効性が高いとされる。
本書では、文科省は官邸の影響力を認識しつつも、首相を中心とした官邸アクターとはほとんど接触していないことや、経済省や財務省に対しては苦手意識を抱いているのではないかなどと分析している。文科省官僚の意識や官邸・他省庁との関係の実態等が明らかにされ興味深い。