不条理な社会の権力構造を告発する福祉社会学の挑戦は、まさに「革命」の様相を帯びて展開する―
社会福祉に内在化されている権力構造を明らかにした先駆的研究(本作品集Ⅶ巻『福祉社会学宣言』)以降、氏が築いた福祉社会学は、貧困者・障害者・老人・ひとり親家庭など、社会的弱者と呼ばれる人々が陥っている様々な状況の事例研究へと発展した。
そしてその飽くなき社会学的挑戦は、ユートピア思想としての社会主義を失ったポスト冷戦時代の新たな福祉国家論という、ナショナルな次元にまで及ぶ―。
社会的弱者らに対する管理・排除の構造を告発するという福祉社会学の闘争的側面を捉え、現代にも通底する社会福祉の光と影を浮かび上がらせた集大成の一冊。




