【書評】河村錠一郎著『イギリスの美、日本の美——ラファエル前派と漱石、ビアズリーと北斎』

河村錠一郎著『イギリスの美、日本の美——ラファエル前派と漱石、ビアズリーと北斎』

(2021年、A5判、上製、2600円+税)

『新美術新聞』2021年8月21日(2) Book Review より

イギリス世紀末美術やマニエリスム美術に詳しい著者が美術展の図録、画集などに寄稿した文章を纏めた。美術批評も多い漱石とラファエル前派、ビアズリーと北斎。どこでどのように関係があるのか。学術的研究のみならず日本美術の有元利夫、恒松正敏、清原啓子、馬越陽子らの作品に詳しい。一方で長く欧米の装丁、挿絵デザインの美にも注目し、コツコツ収集した「K氏コレクション」は大型美術展の中で注目された。全10章のうち「ビアズリーと日本」、「イギリスの美しい本」は著者が監修した展観についてだが、特にお薦めである。

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