人間の内なる「生」本来の創発力回復に向けて
人の「生」は、形や目的を持たぬまま生成し流れ動く「水」にたとえられる。しかし、それは、既存の制度によって形を与えられる単なる受動態ではない。不安を抱え危機的状況をくぐりながらも硬直した形を突破し、新たな形を創発し続ける「流動的自己生成態」である。増え続ける子ども・若者の問題行動の奥に潜む「内発的生成力」の見えざる抑圧を見逃してはならない。本書は、子ども・若者の社会生活を根底で支える「生」の諸相の解読を通じて、硬直しつつある教育・文化の刷新を目指す、時宜を得た力作である。




