成果や所有の論理に還元されない「価値」とは何か―。
私たちは日々、物や出来事に「意味」を見出し、そこに価値を与えて生きている。しかしその「意味づけ」は、時代や社会によって異なる歴史をたどってきた―。危険・必要・有用といった価値の分類は、本当に普遍なのか。本書は、身体や感情、生活環境、制度、文化といった重層的な領域を貫きながら、「価値が立ち現れるプロセス」に哲学的なまなざしを向ける。哲学・社会学・歴史を横断しつつ、名もなき人びとの暮らしから生まれる価値の多様性とその条件を問いなおす。

タイトル | 価値の生まれ方 |
---|---|
サブタイトル | そのさまざまと価値種類のさまざま |
刊行日 | 2025年7月25日 |
著者 | 松永 澄夫 |
定価 | 2750円(2500円+税) |
ISBN | 9784798919737 |
Cコード | 3010 |
ページ数 | 344 |
判型 | A5 |
製本 | 並製 |
松永 澄夫(まつなが すみお)
1947年、熊本生まれ。東京大学名誉教授。哲学を創造する年刊誌『ひとおもい』編集委員。
著作の中のさまざまな文章が、高校教科書『国語総合』(数研出版)に掲載のほか、多数の大学、専門学校、高等学校、中学校、更に全国大学入試センターの入試問題として、また塾や通信教育の教材として利用されている。
序 章 価値のさまざまな有りよう―概観―
第1節 価値事象と価値当事者
第2節 価値の味わいが生まれる場としての私・諸々の価値が現われる場所
第2章 生きてゆくための条件
第1節 知覚と行動(という短い時間)における体と物的環境
第2節 食べ物
第3節 住居
第4節 衣服
第5節 身近な人々
第3章 歴史の厚み
第1節 インフラ
第2節 秩序
第3節 所有という概念―最大の難問―
第4節 文化
結 び 意味と感情と意志・自己像
関連書籍