社会福祉には、担い手が受け手を管理・統制するという点において、権力構造が内在化されていることを捉えた先駆的研究。
わが国において、その権力構造は卑劣ですらあった。
昭和初期、内務省官僚による国民の労働・生活の統制という権力構造を明らかにした先駆的研究が、本書所収「内務省の歴史社会学」である。ここに、日本型福祉国家の源流をみる。そして戦後から今日にかけて、人口・社会構造の変容に伴い福祉の受け手ー高齢者、障害者、社会的弱者などーが多様化すると同時に、その担い手も官民問わず拡大してきた。しかし、今なお、担い手と受け手の間に潜む権力構造は根強い。そして多様化した受け手たちもまた、福祉をめぐるさまざまな葛藤の中で日々の生活を営んでいるー。未公刊論文も収録した「福祉社会学」の総合的著作集。




